No.67(ビザンツ帝国) :
「ビザンツ帝国と西欧社会の違いとは何か?」
政教一致の皇帝教皇主義や、皇帝ヘラクレイオス1世による屯田兵制と軍管区
(テマ)制が、西欧社会のような有力諸侯が地方領主として大土地所有を進める
ことを抑制し、中央集権体制が維持された。また都コンスタンティノープルが東西
世界を結ぶ商業都市として栄え、貨幣経済を発達させた。また文化面では、西欧
に失われたギリシア・ローマ古典を保存し、やがて西欧に開花するルネサンスに
寄与した。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
我が国の中世社会との共通点が多い中世西欧社会を「写し鏡」にしながら、古代
のローマ帝国を継承するビザンツ帝国に対する関心を高め、意欲的に学習に取り
組んでいる。
思考・判断:
ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルが、「ヨーロッパとアジアの結び目」とし
て経済的に発展した理由や、後のルネサンスに寄与した文化的な意義を的確に
判断しようとしている。
資料活用の技能・表現:
ユスティニアヌス帝を描いたモザイク画や、聖ソフィア大聖堂の写真資料を見ること
で、皇帝教皇主義や古代ローマの継承者としてのビザンツ帝国を実感している。
知識・理解:
我が国やイスラーム世界にも見られる、政教一致と政教分離の国家体制を参考に
しながら、ビザンツ帝国の皇帝教皇主義や中央集権を維持するための政策につい
て、基本的な知識を身につけている。